<微生物ってすごい!>2023.3.26

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今では一般的になりましたが、私たちの健康維持につながる腸内細菌は、なんと腸の中に100兆個もいるといわれていますね。

微生物の仲間は、腸内だけではなく土の中にもたくさん生息しいます。

ある人が調べたところ、1グラムの土の中には、細菌だけでも、数億~数十億匹もいたそうです。

この数は、調べる場所や気候で大きく変わりますが、細菌のほかに線虫などの小動物やカビの仲間も入れると膨大な数の微生物が土の中に生息していることは確かです。

このような微生物は、地球上の生物にとってなくてはならない重要な役割を担っています。

彼らは総がかりで、さまざまな生物の死骸(しがい)をえさとして分解し、二酸化炭素などのガスや水、あるいは植物の生育に必要な養分などに変えてしまいます。

小さな微生物たちは、炭素や窒素など自然界の物質の循環に、とても大きな役割をはたしているのです。

そして、土の中の微生物には、人間にとって特に有用なものもいます。

通常、微生物は生物の死骸や枯葉などを好んで分解するのですが、中にはダイオキシンやPCB、残留農薬など、人間が合成した有害化合物を分解する変り者もいます。

このような微生物は、化学物質で汚染した土壌を修復するための、環境浄化技術に利用されています。

 

また、土の中での生存競争はとてもきびしいので、ほかの微生物をやっつけるための物質を生産する微生物もいます。

人間は、抗生物質と呼ばれるこうした物質の中から、多くの医薬品を開発してきました。

さらにこれらの微生物の中には、植物と共存して、植物の生長を助けるものもいます。

大豆などの根によくみられる「こぶ」には根粒菌と呼ばれる細菌がすんでいて、空気中の窒素から作った養分を植物に供給し、おいしい豆を作るために一役買っています。

 

微生物は、名前のとおり、とても小さな生き物です。

「細菌」や「カビ」と聞くと、多くの人が 「気持ち悪い」 と言います。

でも本当は、地球上に住む生物は、微生物のおかげで生きていられるのです。

植物は枯れると分解されて次世代の植物が生長する養分となりますが、この枯れた植物を分解して土に返しているのは、微生物です。

もし微生物がいなかったら、地球上は枯れた植物でいっぱいになるでしょう。

 

また、微生物は私たちの生活にも役立っています。

たとえば、お酒やパンを作る時に使う 「酵母」 は微生物ですし、病気を治すために開発されたペニシリンなどの抗生物質も、微生物から見つかっています。

食卓に乗るシイタケなどのキノコも、実はカビの仲間なのです。

 

ところで、これらの微生物を私たちはどのくらい理解しているのでしょうか。

実は、私たちは地球上の微生物のほんの一部しか理解していないのです。

たとえば土の中に住む細菌のうち、実験室で培養できる細菌は、全体の1%程度と推定されています。

残りの99%は、種類や性質がほとんどわかっていません。

さらに、植物の上に住む微生物にいたっては、その割合すらわかっていません。

植物の特徴 とそこにいる微生物の性質を調べると、それぞれの微生物がどのような役割をしているかがわかります。

今まで知られていなかった微生物の特殊な能力を利用して、私たちの生活に役立てることもできるでしょう。

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