<日本の歴史>2022.2.5

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愛のうた きみがよの旅(1)

私たちの国歌「君が代」の本歌は、平安時代に生きた、ある人物の詠んだ「愛の歌」です。

このことを知った時、梅の花に太陽の光が差し込みキラキラと輝き始めたような、美しい暖かさが胸いっぱいに広がっていきました。

それは、今から1100年以上前の平安時代前期に編纂された「古今和歌集」にありました。「君が代」の本歌は、「題しらず、よみ人しらず」で、

 

わがきみは ちよにやちよに さざれいしの

いはほとなりて こけのむすまで

(古今和歌集三四三)

 

とあります。

もとの歌は、「君が代」ではなく「わが君」です。

当時、主に女性が、愛する男性を呼ぶときに,「わが君」といったのです(一方、男性が愛する女性を「わが君」と呼ぶこともありました。

つまり夫婦や恋人など、親愛の情を持つ相手に向けた呼び名が「わが君」なのですね。)

この歌は、名前はわかりませんが、平安時代に生きた、ある人物が、恋しい人に「いつまでも、長生きしてくださいね」と歌い上げたものだったのです。

歌の音の流れが、春の小川がサラサラ音を立てているようで、心が安らかになごみますね。

この歌は「賀歌(がのうた)」といって、おめでたい時に歌われる『言祝ぎ(お祝い)の歌」に分類されます。おそらく作られた当初からたくさんの人に愛され、

さまざまなお祝いの席で歌われる、大人気の歌だったのでしょう。

その証しに、古今和歌集の成立からおよそ100年がたった1013年ごろ、藤原公任(ふじわらきんとう)という人が、みんなが楽しく朗詠できる名歌を編纂した「和漢朗詠集」

に、「わが君は」が「君が代は」と手を加えられて、登場します。

 

君が代は 千代の八千代に さざれ石の

いはほ(いわほ)となりて こけのむすまで

 

「君」は、恋人や親しい人だけでなく、一族の長老や主人など、目上の人に対して敬意を込めて呼ぶときにも使われます。

そして「代」は、寿命や命のことであり、時代を表す場合にも用いられます。

「千代に八千代に」は、「ずっと永く、いつまでもいつまでも」。

「さざれ石」は小さい石、「いわほ(いわお)」は「大きな岩」のこと。

長い年月の間に石灰岩に雨水が浸透していき、ミネラルが溶け出して周りにある小石とくっつき、大きな岩となる現象を「さざれ石のいはほとなりて」で表しているでしょう。

自然界のあらゆるところに神様が宿ると考えてきた私たちの祖先は、石にも神霊が宿り、時間をかけて成長していくものだと信じてきたのですね。

「こけのむす」は、「苔が生える」という意味。

石が成長して岩となり、その表面に苔が生えるまでというのは、永い永い先月の例えであり、同時に、愛の深さを表しているのでしょう。

全体を訳すと、こうなります。

「あなたの命(あなたさまの御代(みよ))が、いつまでもいつまでも、永く続きますように・・・・。

たとえば小さい石が、永い時間をかけて大きな岩に成長し、その上にたくさんの苔が生えるようになるまでね」

 

「わが君」が「君が代」となったことで、歌に新しい命が吹き込まれました。

大切な人の長寿と幸せを祈る歌であり、一族の繁栄を祈る歌。肉体は滅んでも。魂は受け継がれ、生き続けています。

その永遠の命を寿(ことほ)ぎ、魂を受け継ぐことをこころに誓う歌でもあるのですね。

 

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