日本の教育について・諸外国との比較<2023.2.5>

現役高校生が訊きたい「教育と食」【CGS 神谷宗幣に訊く! 藤田明寿 第7回】

日本を変えるためには【CGS 神谷宗幣に訊く! 藤田明寿 第7回-2】

《神谷 宗幣氏プロフィール》

昭和52年 福井県高浜町生まれ。

若狭高等学校、関西大学文学部卒、関西大学法科大学院修了

平成19年大阪府吹田市議。

平成25年、イシキカイカク株式会社(現商号)を設立し、政治や歴史、経済をテーマに各地で講演活動やインターネット番組配信に取り組む。

著書『大和魂に火をつけよう』『坂本龍馬に学ぶ「仲間をつくる力」』『子供たちに伝えたい「本当の日本」』

教育を、英語では<エデュケーション>です。

 この言葉には《外へ導く》という意味があります。

 この言葉どおり、海外の教育は“教える”というよりも、“生徒一人ひとりの可能性を導き出す・個々の力を伸ばす”という意味合いが強いといえるでしょう。

 海外では、日本のように“みんな一緒”の画一教育ではなく、

生徒それぞれの能力に合わせた教育を行なうのが特徴的です。

 そのため、できないことを叱ったり注意したりすることよりも、それぞれの能力や才能を伸ばすことに重点を置いています。

 先生や親が生徒の良いところをたくさん褒めることで、生徒は自分のできないことよりもできることに目を向けられるようになり、自信を持てることでしょう。

 また、海外は日本でありがちな暗記型・知識詰め込み型教育ではなく、

考えて導き出すことを重視した教育です。

 そのため、日本のような暗記力が問われるテストをすることはほとんどありません。

 学校から課される宿題も、自分で調べたり考えたりしなければならないものが多く、決まった解答があるものよりも、いくつもの答えがあるような問題が出されます。

 暗記する力よりも、生徒自身の自主性・主体性を尊重し、学習への探究心を育むことを重要視しているといえるでしょう。

 そして、海外では義務教育中であっても留年があることも、日本と大きく違う点です。

 日本では、どれほど成績が悪くても義務教育中に留年することはありません。

 良くも悪くも、生まれた年が同じ生徒は、同じ教育を受けることとなります。

 海外では、できないことを強く批判されることは少ないのですが、進級できるレベルに達していないと学校や保護者が判断すれば、進級はできません。

 反対に、成績が優秀であれば、飛び級をすることもあります。

 年齢ではなく、個人の能力に応じた学年に配置するというのが一般的な考え方のようです。

 ヨーロッパと日本の教育制度の違い

ヨーロッパは、世界トップクラスの教育レベルを誇る国が多いと有名です。

ここでは、特にレベルの高い国の教育制度を紹介します。

フィンランド

プレスクールから大学院までの学費が無料で、給食費や文具代も支給されます。

学校・家庭・行政が連携を取りながら、一体となって子どもを育てていく意識が強いことが特徴です。

義務教育は9・3・3制で、7歳から入学します。

他人と比較するような教育はせず、授業においてのテストは行ないません。

“自分のために勉強している”という意識を持たせる教育方針のためか、子どもの読書量が非常に多いのが特徴です。

 

オランダ

義務教育は5歳から18歳までで、ほぼ無償で受けられます。

ネイティブでない子どもにも、教育を受けさせることも特徴です。

しかし、5歳で必ず入学しなければならないわけでなく、成長に合わせて入学することができます。

また、学校それぞれの裁量が大きいことも特徴です。公立でも、独自のメソッドで教育を行なっているところも多くあります。子どもの能力や資質、本人の希望によって学習内容や方法を選択できるため、本人の興味や理解度に合わせて学習を進められるでしょう。

 

スウェーデン

基礎学校、高校、大学の授業料が無償で、奨学金などの制度も充実しています。

また、日本のように大学卒業後に就職するのではなく、就職後に大学へ入学するというケースが多いようです。 高校や大学に入学する際、入試がないというのも大きな特徴で、入試がない代わりに学校の成績で合否が決まります。

今回は、日本と海外での教育の違いについて詳しく解説しました。国によって教育方針や教育制度はさまざまで、比較してみると違いは明確です。日本の教育と海外の教育、手法は違ってもそれぞれに優れた点があります。 今、センター試験の廃止や小学校でプログラミング教育の必修化など、日本の教育は過渡期にあるといえるでしょう。海外の良い点などを参考にしながら、日本の教育がより良いものとなっていくことを願っています。

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